【2012年マレーシア釣行】ケニール湖②
9月12日 ケニール湖に到着
揺れを感じ、目が覚めた。
おっちゃんが俺の席をガンガン揺すっている。
「おい中国人、ケニール湖着いたぞ」
「日本人っす」
辺りは真っ暗だった。時計をみると5時過ぎ。
なんにも見えないけど、なんとなく水音のする方へ歩いていく。
波打ち際まで来た時、突然目の前で大きなボイルが起きた! 魚だ!
パックロッドを急いで組み立て、適当なルアーを結んで、投げて、巻く。
そのまま何も起きないまま、一時間が経過した。辺りはまだ真っ暗。
7時を過ぎた頃、ようやく太陽が顔を出した。にわかに気温が上昇し始める。
あのボイル以降、魚の気配は全くないので、一旦引き上げて宿と食事を探すことにした。
情報取集をしようと、小高い丘の上の食堂に入ったのが朝の8時ころ。バスマティライスのいい香りがする。
威勢のいいじーちゃんが話しかけてきた。
「”タイレン”には行ったか?」
「タイレン?」
「おう、タイレン」
マレーシアの観光地かな? 行ってないよ、と僕は言う。
じーちゃんが何を食べたいか聞いてくる。
メニューとかは無いらしい。
ナシゴレン! と僕は叫ぶ。唯一知ってるマレー料理である
フライング! と、じーちゃんが叫ぶ。
「日本人、ナシゴレンはなぁ、晩飯だぜ?」
だから別のにしろ、とのこと。でも、僕はナシゴレンしか知らない。
ナシゴレンナシゴレンナシゴレンと連呼していたら、オッケイオッケイと言いながらじーちゃんが厨房へ向かう。そして、すぐに何かの料理を持ってきた。
「ナシラマ」という料理。どハマりして以降毎日食べることに。コーヒーとセットでおよそ60円
「ナシラマ。これがマレーシアの朝メシだ」
なんて言いながら得意げに。
バスマティライスにきゅうりとフライドチキン、あとは揚げた小魚に辛いソースが乗っていた。ふんわりとココナッツの香りがする。
これがめちゃくちゃうまい。日本にはちょっと無い味だったけど、すっかりハマってしまった。ちなみに、以降いろんなお店のナシラマを食べたけど、この食堂のナシラマが最強だった。
コーヒーかお茶か、どっちがいい? と聞かれ、コーヒーを頼むとホットで出てきやがった。このクソ暑いのに。練乳みたいなのが沈殿している。混ぜて飲むとめちゃくちゃ甘かった。コーヒーを冷ましながら、今回のターゲットの情報を集める。
今回のターゲットはベリーダ。ナイフフィッシュだ。奇妙なフォルムとサイズ、肺呼吸に惹かれ、釣りに来た。食べても美味しいらしい。
じーちゃんがおもむろに電話を取り出した。詳しい人物を紹介してくれるみたい。程なくして原付が一台到着し、ガタイのいいおっちゃんがおりてきた。
おっちゃんはガフさんと言うらしい。
まずは宿を決めよう。と、食堂裏の土手を湖の方へ降りて行った。
食堂から湖を望む
湖には家? が浮いていた?
なんでも、大人数でこの家で寝泊まりしつつ、湖の向こうの国立公園に行ったりするツアーがあるらしい。今回は単独での宿泊だったので普通に宿として使った。
思った以上に普通の部屋
明日の朝からボートで釣りするぞ。と、ガフさんは去っていった。
荷物を降ろし、早速近場を探っていく。
ぱっと見で魚の姿は見えない。障害物となるボートハウスの下をスピナーで探っていくと、程なくしてプルプルっと反応があった。
ストライプスネークヘッド。現地名はハロワン
海外初フィッシュはハロワンという雷魚だった。雷魚は日本でも釣ったことがなかったので、それはもう写真を撮りまくってしまった。歯が生えているのでちょっと噛まれてみたり。
宿の管理人が食べるとうまいぞと言っていたが、ちっちゃかったのでリリースした。またそのうち釣れるでしょーと。
その日は夕方から雨が降った。
雨とかいうレベルじゃない。日本で経験した中で一番強い雨のその1.5倍くらいの超強力な雷雨。マジで船、ぶっこわれんじゃないの? と思うほどの。
ベリーダは夜行性らしい。明日はどうだろう?
その日は早々と寝た。
テレビではキリシタン大名の話してた。ジス イズ ジャパニーズミステリーとして紹介されてた。果たして需要はあるのか?
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