ネンブツダイの食べ方~最小限の処理で食べるには?~
日本中の釣り好きお父さんに朗報。ネンブツダイはお土産になる。
続報:もっとうまい食べ方があった
続・ネンブツダイの食べ方~最小限の処理で食べるには?~ - まぐろぐ
処理の仕方はこのまま下をお読みください。
(ウロコはつけといた方が美味しいよ!!)
口が大きく、簡単に釣れる
前回の記事でウツボを釣りに行ったところ、ネンブツダイ(正確にはクロホシイシモチ)がたくさん釣れた。簡単に釣れる上に大量に釣れる。逆に言えばエサ取りとして邪険に扱われている彼ら。子供と一緒に釣りに行ったらネンブツダイしか釣れなかった……という経験を持つお父さんもいるはず。
もし彼らが美味しいお土産となるとしたら、どれだけ素晴らしいだろう。
世のお父さん方もどれだけ嬉しいだろう。どんな初心者でもほぼ間違いなく釣れるので、子供を一緒に連れていくことだってできる。子供にネンブツダイを釣らせて、自分はタイとか他の大物を狙っていればいい。
「子供の面倒見るから」「お土産も持ってくるから」奥さんの冷たい視線をそんな理論武装で跳ね除けて、堂々と休日を謳歌するのだ。
しかし、現実はそんなに甘くない。ネンブツダイには固いトゲがあり、うっかり掴み方を間違えると手にブスブス刺さる。また、サイズが小さいため、下処理も面倒だ。何十匹も持ち帰った日には、奥さんが怒り狂うことまちがいないだろう。
どうにかならんのか。
世の釣り好きのお父さんのためにも、将来の自分のためにも、この由々しき問題を解決していきたい。
と言うわけで、今回はネンブツダイを食べる際の「調理の手軽さ」と「食味」について考えていく。
ネンブツダイの唐揚げ
手軽さ重視。奥さんに負担をかけるな自分で捌け。捌き方はとっても簡単お子さんと一緒にどうぞ。と言った感じ。そこそこ美味しく仕上がることが作る前から予想できるので、あとはどこまで簡単に下処理を終えることができるかがポイントとなる。
てきとーにゆるくいくぞい
こまけぇこたぁいいんだよ
ウロコの除去
ネンブツダイはウロコが大きく、硬い。残さず取り去りたいところ。幸い、ウロコは簡単に剥がれる。背びれ、腹びれ、胸びれにちょっと硬くてヤンチャなトゲがあるのでそれだけ注意して作業を行ってほしい。
ヤンチャなトゲの存在
*ウロコ自体は小さいスプーンなんかでも綺麗に取り去ることができる。世のお父さん方はぜひぜひお子さんと一緒にやってみてほしい。
硬いところと苦いところの除去
エラの後ろから包丁を入れ、頭を半分切り落とす。その状態で頭を折ると、内臓を取り去ることができる。
ここに切れ込み。完全に切断してしまわないこと。
内臓が頭についてくる。
内臓を取り去ったら、各ヒレを切り落とす。
そして、背中から中骨に沿って腹を割かないように開き、中骨を露出させる。中骨に直接油が触れるようにしたい。今回はここまでの処理を行ったが、骨が気になる人はここからさらに包丁を入れ、中骨を取り去るといい。
*頭部と内臓、ヒレの除去は調理バサミでも十分可能なので、世のお父さん方はぜひぜひお子さんと一緒にやってみてほしい。
揚げる
熱いので、お子さんと一緒にはやらないでほしい。
中骨を取らない場合はしっかり目に揚げる。ネンブツダイの中骨はそこそこ固い。少し配慮するといいと思われる。
食べる
おいしい。ふつーに、小魚の唐揚げ。骨もそんなに気にならず、身もそこそこ付いていてちゃんと魚の味がする。ボリボリ食べた。歯ごたえが楽しい。
一方で、身質自体はかなりふわっとするタイプだった。中骨を取ってしまってから挙げることで、また別の食感を楽しめるだろう。
【再掲】続報:もっとうまい食べ方があった
続・ネンブツダイの食べ方~最小限の処理で食べるには?~ - まぐろぐ
処理の仕方はこのまま下をお読みください。
(ウロコはつけといた方が美味しいよ!!)
おまけ:ネンブツダイはどこまで手軽に食せるのか
もし、ネンブツダイを本当にお土産にするとしたら、数匹ではなく数十匹単位で持ち帰ることになるだろう。ふつーにおいしいとはいえ、上の手順を数十回も行っていくのは流石に面倒だ。(頭+ヒレ×3箇所+開き=4回包丁を入れることに)
美味しく食べられることを前提に置きつつ、より手軽さを求める。快適に食すために、最低限どれだけの手順を行うべきなのか検証してみた。
固くて口に残りそうな部位を「頭部」「各ヒレのトゲ」「中骨」と仮定する。
右から順に
・頭と内臓、各ヒレ及びトゲを除去し、開いた(5回)
・頭と内臓を除去し、開いた(2回)
・頭と内臓、トゲのあるヒレを除去(3回)
・頭と内臓、腹ビレのトゲのみを除去(2回)
・内臓を除去し、中骨に油が触れるよう切り込みを入れた(3回)
・内臓(ついでに腹ビレのトゲも除去できた)のみ除去(包丁を入れた回数:1回)
となっている。左に行けば行くほど処理が楽だが、骨やトゲの懸念がある。頭を落として内臓を処理するやり方は包丁の持ち代えなどの関係で、手数は少なく済むが手返しが良くない。腹周辺をざくっとやってしまうのが一番早くて簡単なように思う。調理ばさみでもできるしね!
●まずは一番右。
包丁の入り方
普通に美味しい
●右から二番目
トゲがちょいちょい刺さる。
中骨は気にならない
●右から三番目
中骨が少し硬いか
●右から四番目
中骨が少し固く、おまけにトゲも刺さる。背ビレのトゲも除去すべきか。
●右から五番目
ヒレも頭も気になるが、中骨は多少緩和されている
●右から六番目
口の中が痛いが、大人なら大丈夫。
ここまできたら、下手に処理なんてせず、ウロコだけとって丸ごと揚げても別に変わんないんじゃないかと思う。
……というわけで
基本的にどれでも食べることができる。が、快適に食べようとすると、やはり多少は処理する必要があるみたい。「頭の除去」「トゲの除去」「中骨の露出」までは行うといいだろう。頭とトゲはキッチンバサミを持たせれば、子供にだってできる。
ネンブツダイの刺身は〇〇に似てる
おっ。肝だ。食べなきゃ(使命感)
食味重視。
現地で一匹齧ってみたところ、甘味と旨味を感じた。
生姜がめちゃくちゃ合いそうな気がしたけど、生憎現地では持ち合わせていなかったので、帰宅後にも作ってみることに。
内臓処理のため、無心でネンブツダイの頭をペキペキ折っていると、意外としっかりとした、かつ色の綺麗な肝臓が出てくることに気づいた。試しに生のまま口に運ぶと、全く味がなかった。没。
他、捌く上で特筆すべきことはなし。
冷蔵庫に入れたら乾燥した
味はやっぱり「まあまあおいしい」と言ったところ。
プリッとした身質に、ほのかな海の香りと、甘味と脂。
以前、養殖の鮎を刺身で食べたことがあるが、それの淡水っぽい香りを全部海っぽい香りにそのまんま変換したような味がする。
スズメダイという別の小魚。以前干したら美味しかった。
今回はやらなかったけど、塩焼きや干物にするともっと美味しく食べられそうな気がした。また確保してこよう。
どうせ、無限に釣れるしね。