【2012年マレーシア釣行】ケニール湖①
9月11日 出国。初海外へ。
早朝、日本を発った僕は韓国の仁川国際空港での乗り換えを挟み、マレーシアの首都であるクアラルンプールへと向かった。現地に着くのは夕方だ。
荷物は20kg近くなってしまった。削れなかった。
空港からはまず、地下鉄を使ってKLセントラルというでっかい駅まで向かう。一度乗り換えて別の駅まで向かい、そこから夜行バスに乗る算段だった。
ところが、海外初訪問の僕はあらゆる場面で手間取ってしまった。入国審査。両替。挙げ句の果てには迷子になってしまったのである。空港をどうにか脱出し、電車に乗る頃にはとうに日は暮れてしまっていた。
夜行バスが出るのは知っている。が、何時に出るのかは知らない!
夕方には現地に着くから大丈夫っしょ! と、タカをくくっていたのだ。
売店で購入したサンドイッチ(サーディンって書いてあった)をほおばりつつ、乗っている電車が無事に目的地へ到着することを祈っていたのであった。
バスターミナルの最寄駅に到着した僕はすぐさまタクシーの運ちゃんに声をかけた。
「おっちゃん。バスターミナルまで行きたいんだけど!」
片言のマレー語で話しかける俺に対し、おっちゃんは怪訝な顔をして
「歩いた方が早いぜ」
と、その方向を指差してくれた。
「どこまで行くんだい?」
「ケニール湖だよ」
「だったら奥の方の乗り場だな。あ、チケット売り場は手前だぞ」
そこまで話して、おっちゃんと別れた。
僕にとって、初めてのマレー語コミュニケーションだった。
売り場に着くと、若いにーちゃんに早速声をかけられる。
「どこまで行くんだ?」
「ケニール湖まで」
「よし、買ってきてやる。金を貸せ」
ネットで調べたのより少しだけ高い金額を提示された。
でも、自分の力のみで窓口で買うのも不安だったため、お願いすることに。そもそもまだ便があるかどうかもわからないし。お釣り返してくれるかもしれないし。
ほどなくして、おーい、買ってきたぜとにーちゃんが帰ってくる。どうやら30分後の出発らしい。まだ便は出てなかったのだ! よかった!
そのままにーちゃんに乗り場まで案内してもらい、バックパックと釣竿を格納庫に詰めてもらう。座席番号も確認してもらった。ぶっちゃけ、めっちゃありがたかった。
全ての作業を終えたにーちゃんは
「じゃあな! がんばれよ!」
なんて言って笑顔で去っていった。
バスの中はめちゃくちゃ寒かった。海外からの旅行客は、このエアコンに当てられて、すぐに体調を崩すらしい。もってきた上着を羽織っても尚、少し肌寒かった。
程なくして、バスは出発した。
寝て、起きたら、マレーシアで一番でかい湖のほとりだ。
まだ見ぬ憧れの魚たちを思い描き、心躍らせつつも、不思議とすぐに眠りに落ちた。
ちなみに、お釣りは帰ってこなかった。