まぐろぐ

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アメリカナマズ釣り&至高の調理@霞ヶ浦【160701】

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こんにちは。

ほんでぃです。

外来種は基本的においしい。だって、食用移入だし。

え、本当に? 

 

 

 

さて

みなさんは「アメリカナマズ」という魚をご存知ですか?

アメリカナマズとは

チャネルキャットフィッシュとも。
1970年代にその名の通りアメリカから食用目的で移入したところ、1980年代に自然水域での繁殖が確認されて以降、利根川水系霞ヶ浦で大繁殖しているナマズである。最大魚は1mを超える。

アメリカのみならずカナダやメキシコにも生息しており、またマレーシアや東ヨーロッパの一部にも移入されている大変グローバルな人材である。イギリスのEU離脱が世界経済に与える影響を深刻に捉えている。

 

食  用  目  的

食用で移入されるなんて美味いに決まってる!

しかも、大量発生しすぎて、霞ヶ浦では無限に釣れるらしい……!

しかも夜行性。仕事上がりに向かってもまだ時合いだ。よし。

 

 

 

ここで水質チェック。

霞ヶ浦の水は綺麗なのか。 

霞ヶ浦は平地にあり、その流域面積が広いうえに水深が浅いので、元来、自然的富栄養化が進行しやすい湖といえます。さらに、流域の生活活動等の増大による人為的富栄養化(約28万頭に及ぶ養豚、沿岸地帯に広がる約1500ヘクタールの蓮田)が相まって汚濁が進行します。 

霞ヶ浦の流域は大部分が市街地や農地などに利用されており、湖水に比べて高い濃度の窒素やリンを含んだ河川の水が流入しています。 

霞ヶ浦では植物プランクトンが異常繁殖して水質が汚濁するとともに、その死骸等が底泥として堆積・蓄積しています。

霞ヶ浦の湖底に堆積した底泥からの溶出や、風浪による底泥の巻き上がりによって、湖水の窒素・リンの汚濁が増幅しています。

霞ヶ浦には数多くの川が流入しますが出口は利根川への1本だけです。霞ヶ浦の湖水交換日数は約200日で、一度汚濁が進むとそれを回復するには大変な時間を要すると考えられます。 

引用HP:霞ヶ浦河川事務所

 

 

 

うーん

まぁ

死なないっしょ

 

 

アメリカナマズ釣り 開始(21:00)

 

今回霞ヶ浦アメリカナマズを食す勇者は僕含めて4人。霞ヶ浦ほとりの土浦駅で待ち合わせをし、そこから車でポイントへ向かう。もちろん、夕食は抜いてきた。

僕以外の三人はみんな、アメナマ釣りは経験済み。さらに、今回は”アメナマスター”が同行している。怖いものなしだ。一応解説しておこう。

 

アメナマスターとは

平成生まれでまだ20代という若さながらも、アメリカナマズに愛される資格を得た伝説の男。

数人で釣りをしていると、アメナマスターにばかり魚がかかるなんてことは日常茶飯事。

アメリカナマズ同様グローバルな人材であり、イギリスのEU離脱が世界経済に与える影響を懸念している。

 

「200匹は釣れちゃうね〜」

「全員一気に釣れるから」

「七輪持ってきた、炭起こしとくね」

「腕が攣るっすね。釣りだけに」

なんておしゃべりしながら準備を進める。

 

アメナマ釣りは簡単だ。ポイントを見つけ、なにか魚介類の切り身でもつけて仕掛けを放り込み、あとは竿先に鈴を取り付け、待つだけ。暇そうに見えるが一晩で200匹釣れるとなると話が変わってくる。

 

ワクワクしながら竿先を見つめる。

 

 

 

 

 

何も釣れない時間が小一時間ほど流れた。

なんということでしょう。 

 

いくら簡単に釣れる魚が相手とはいえ我々も釣り人なので、この釣れない現状を真摯に受け止めてその要因を分析する。

 

以下、議事録を掲載する。

「餌をこまめに変えたほうがいい。匂いが大事」

「ハリスが太すぎる。鈴の質も悪い」

「爆発的増殖が落ち着いて、個体数が減ったのでは」

「投げ込む位置が回遊のコースじゃない」

「食欲と殺気と炭の香りが伝わっている」

EU離脱の影響を心配し、現地に出張に行っている」

 

全力で分析した結果、やはりイギリスのEU離脱のニュースが大きく影響を与えていることは明らかだった。すでに多くの外資系サラリーアメナマが日本を飛び立った後だったか……

以上

 

 

なんて妄想を繰り広げているうちに、けたたましく鈴が鳴り響き、最初の一匹が釣りあがった。

愉快なディナータイムの開始である。

 

三枚におろして皮を剥いだ身を一口大に切り、酒にしばらく漬け込む。

半身は粉をつけてフライに。もう半身は七輪で蒲焼にした。

何を食べているのか調査するために消化器官をさばくと、寄生虫がワンサカでてきた。ちょっとグロすぎるのでここには載せない。気になる人は「サナダムシ(リンク先寄生虫注意)」とかでググってくれ。

 

一般人が目にしたら食欲がEUを離脱してしまいそうな、それはそれはショッキングな光景であったが、空腹と深夜テンションに侵された我々にとって、それはむしろ闘争心を煽るガソリン以外の何物でもなかった。

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カリッと

 

程なくしてフライが出来上がる。シェフの素晴らしい手さばきで、あっという間にアツアツのアメナマバーガーが目の前に出現した。あたりにはいい香りが立ち込めている。やばい。すでにうまい。

 

実食

 

 

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ほら、うまそう?

 

アメナマを釣ったことがない。という理由で僕が生贄にされた。

 

見た目はうまい。香りもうまい。霞ヶ浦産ということで、上流からの排水とか泥とか気になっちゃうけど、チリソースぶっかけてるからうまい具合にごまかせているだろう。

 

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 むしゃ

 

ほらやっぱりうまい。

臭みも全然感じないし。結構ホクホクするタイプの白身でフライにぴったり。あとは味の濃い煮魚も合いそうだなぁという印象。

 

 

続いて蒲焼。

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こちらも食べる前からうまい。

 

食べてもうまい。

ほのかな泥臭さを感じるが、かえってそれがうなぎっぽいぞ! 炭火でじっくり焼いたためか、脂が落ちてさっぱりしていた。

 

これは

完全に

食料

っすわ

 

俄然やる気が高まる。

蒲焼を焼くかたわらこまめに餌を新鮮なものに変え、投入し直していく。

 

 

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僕にも釣れた。

 よっしゃ食料ゲットぉおおあぁあ!

 

 

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丁寧に捌いて塩焼きで食べたい!

 

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アメナマ本来の味を楽しみたい!

 

 

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油をじっくり落として、誰かが持ってきたバリ島の塩で軽く味付けする。

 

 

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完成!

 

お分かりだろうか。

完全に夜が明けている。

 

 

 

塩焼きもまぁ食べれる。泥臭さは他の二つに比べやや強く感じるが、アジがあっていいんじゃないかな?

 

夜が明けてもまだ釣れる。定期的に餌を交換するのがポイントみたい。くっさいのが効く。

 

チャネルキャットフィッシュ? アメナマ?

 

アメナマを釣っていると、気付くことがある。

明らかに別種のナマズがちょいちょい混じるのだ。

 

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これはアメナマ(チャネルキャットフィッシュ)

 

 

それがこちら

 

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アメナマ?

 

色が違う。唇も厚い。タラコみたい。ナマズだけど。

どうやらブルーキャットフィッシュという魚であると考えられているようだが、詳しくはわからない。

 頭にプニプニした肉が付いていて、煮魚にしたらおいしそうだった。

 

結論

 

アメリカナマズはおいしい!

利根川水系全域に生息しているようなので、もっと清流域で採取した個体を、今度は煮魚で食してみたいと思った。

 体調も大丈夫でした。